日本の食料自給率は40%だという。このことに対して、僕ら日本国民はもうちょっと真剣に考える必要があるのだと思う。ちなみに、今滞在している石川県の食料自給率は48%とのこと。海と山に囲まれた、田も畑も豊かな石川県にしたって、50%に届かない食料自給率なのである。僕らは大量に海外から安い水産物や農産物を輸入して、余ればそれを捨てているのである。その食べられなかった食品の廃棄量もものすごい量になるという。その反面、この日本の国では、水産業や酪農は下降気味であり、耕作放棄地も東京都の面積以上にのぼるという。海外から大量の安い食料を買い、自分たちの国の産業を衰退させている現状はいったいどう解釈すべきなのであろうか。このいびつな産業構造を考え直さなければ、これからの日本のあるべき姿は見えて来ないのだと思うのである。
僕はこの日本のいびつな現状の原因は、戦後の日本の経済最優先の政策にあると思うのである。資源の乏しい日本は、自国に資源を輸入してそれを製品にして、海外に輸出することで、外貨を獲得し、経済の繁栄を誇ってきたのである。けれども、経済最優先の政策の中で、第一次産業と呼ばれる、農業や水産業は、その生産規模において、下降線をたどってきた。